不動産購入を検討されている方のなかには、購入する不動産を決めて住宅ローンの審査にも通ったものの、やむをえない理由でキャンセルが必要な状況になったという方もいるかもしれません。
そこで今回は、住宅ローンの審査通過後でも不動産購入はキャンセルできるのか、また、その場合に気を付けるべき注意点とは何なのか、ご紹介していきます。
不動産購入をキャンセルしたい！住宅ローン審査通過後でも可能？
結論からいうと、住宅ローンの審査通過後でも不動産購入のキャンセルは可能です。
しかし、どの段階でキャンセルしたかによって状況が変わってくるので、細かく見ていきましょう。
まず、住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」があります。
一般的な順番としては、購入申し込みのタイミングで事前審査、事前審査に通過したら売買契約を締結して本審査という流れです。
事前審査の通過後で売買契約を結ぶ前であれば、特に大きな問題もなくキャンセルできると考えていいでしょう。
注意すべきは、売買契約を結んでいるかどうかです。
売買契約を結ぶ際に、不動産購入者は売り手側に「手付金」を支払います。
手付金は、物件にもよりますが購入価格の5％から10％程度が相場とされており、3,000万円の不動産だとすると150万から300万にもなります。
この手付金を、売買契約後に買い手都合で契約解除になった場合、放棄しなくてはならないのです。
つまり、住宅ローンの審査通過後でもキャンセルはできますが、それが売買契約や本審査通過後であった場合、高額な手付金が戻ってくることはないと理解しておきましょう。
ちなみに、本審査に落ちると契約は白紙に戻るため、手付金も返還されます。
このように、タイミングやキャンセルの理由によっても影響は異なるので、細かく覚えておくようにしましょう。
住宅ローンの本審査通過後に不動産購入をキャンセル際の注意点
不動産購入のキャンセルには、そのほかにも注意点があります。
本審査通過後や売買契約後にキャンセルをすると手付金が戻らないとお伝えしましたが、さらにキャンセルのタイミングが遅くなると「違約金」が発生することがあるのです。
違約金は売買契約書に記載されている「手付け解除期日」を過ぎてからのキャンセルの際に必要になり、その金額も売買契約書に記されています。
最高で購入価格の20％にあたる金額が違約金として請求されることになるので、キャンセルするタイミングには十分注意してください。
ちなみに、住宅ローンのキャンセルにはキャンセル料のようなものはかかりませんが、手数料や印紙代などを負担しなければならないこともあるので覚えておきましょう。
