最近では日本で暮らす外国籍の方も珍しくなくなり、不動産を購入して生活している方もいらっしゃいます。
なかには住むためでなく、投資目的で日本の不動産を購入する人もいるでしょう。
しかし、外国籍の方が不動産を売買するときの手続きはまだまだ複雑です。
今回は、外国籍の方が日本の不動産を売却するときに必要な書類や、知っておくべき注意点についてまとめました。
外国人が日本の不動産を売却するときの必要書類
不動産売却には、以下の書類が必要です。
●身分証明書
●住民票
●権利書または登録識別情報
●登記簿謄本
●実印・印鑑証明書
●固定資産税納税通知書
●土地や建物を確認するための書類
土地や建物を確認するための書類は、戸建てでは地積測量図・境界確認書、マンションでは管理規約・使用細則・維持費に関する書類になります。
これらの書類は、売主の国籍によって変わることはありません。
身分証明としては、運転免許証・パスポート・健康保険証・マイナンバーカードなどがあります。
住民票は、売却不動産と現住所が異なる場合に必要です。
住民票と印鑑証明書は3か月以内に発行されたものに限られます。
外国籍であっても、3か月を越えて在留の認められた「中長期在留者」であれば居住する市区町村で住民登録でき、住民票の取得が可能です。
日本に住民票がない場合、本国の住所を証明する「公証人の認証のある住所に関する宣誓供述書」や「在日の当該大使館領事部で認証された宣誓供述書」が必要になります。
中長期在留者であれば、住民票と同様に印鑑証明の登録も可能です。
印鑑登録をしていない場合は、「当該国の在日大使館または本国の官憲によるサイン証明書」か「登記委任状に当該国の在日大使館の認証を受けた書類」で代替できます。
投資目的など物件所有者が海外居住の場合、司法書士が事前作成した宣誓供述書を現地公証人に署名の認証をしてもらうか「本国の官憲が発行するサイン証明書」が必要です。
外国人が日本の不動産を売却するときの注意点
日本の不動産の売買は国籍を問いませんが、契約の手順やルールは外国籍であっても同じである点には注意が必要です。
とくに印鑑登録制度は、世界のなかでもアジアの一部の国にしかありません。
実印をつくるところから始めなければならない点には注意が必要です。
売却に係る税金を納める点も、忘れないようにしなければなりません。
売却に係る税金とは、具体的には譲渡所得税や印紙税、登録免許税です。
海外居住者であっても、源泉徴収によって所得税を納税する義務があることには注意しておきましょう。