この記事では、委任状に関する基礎知識として、仕組みや書式、条件などを解説します。
これから不動産売却での委任を検討している人は、まず基礎知識をつけて、トラブルなどを回避しながらスムーズに手続きを進めていきましょう。
不動産売却に関わる委任状の仕組みと条件を解説
まず、不動産売却における委任というのは、売却に関わる手続きや立会いなどを第三者に委託することを指します。
代理人(委託された側)が承諾することで成立する仕組みです。
委任状はこのような委任契約を行う際に作成する書類となっています。
代理人は不動産売却を希望する本人に代わり、手続きや契約などにおいて意思表示することができます。
代理人の意思や行為は本人のものと同等です。
また、委任を利用する際は、代理人となれる人の条件についても理解しておかなければなりません。
基本的には、誰でも代理人として委託することができます。
しかし、不動産の所有者が未成年である場合は、親権者が代理人となります。
親権者がいない場合は未成年後見人が代理人です。
所有者が成年被後見人である場合は、成年後後見人を代理人として指名しなければなりません。
また、所有者が指名した代理人は、与えられた権限の範囲内で別の代理人を指名することもできます。
不動産売却における委任状の必要な場合と書式
委任状が必要なケースは主に4つあります。
1つ目は、売却を予定している物件が遠方にあるときです。
不動産売却の契約時には立ち会いを行いますが、遠方にあるためスケジュールの調整ができなかったり、直接本人が出向けなかったりする場合に委任します。
2つ目は、契約手続きのための時間を作れないケースです。
仕事や病気による入院などで時間が取れず、手続きを進められないときに委任を行います。
3つ目は、売却予定の不動産に複数の所有者がいる場合です。
不動産は夫婦での共同所有や遺産相続などにより、所有者が複数になることがあります。
このような場合でも、売却に関する契約や手続きには所有者全員が立ち会わなければなりません。
全員のスケジュールを合わせられない際は、代理人を立てて手続きなどをスムーズに進めていきます。
4つ目は、所有者が未成年となっているケースです。
未成年の場合は本人が売却の手続きを進められないため、代理人を立てる必要があります。
また、これらのケース以外にも、不動産売却の手続き方法に不安がある、やり方がわからないといった場合は委任できます。
また、委任状には決まった書式や形式はありません。
弁護士事務所や不動産会社では委任状のフォーマットを用意しているので利用してみましょう。
他にも、委任状を作成する際は、代理人にどの程度の権限を与えるのかを明確にすることが重要です。
権限が明確になっていないと、本人の意思とは異なる交渉を代理人が進めてしまう恐れがあります。
代理人とは密にコミュニケーションを取り、権限を明確にしてトラブルを回避しましょう。
まとめ
委任は不動産売却が初めての人でも少ない労力と時間で契約に関する手続きをスムーズに進められる手段です。
条件や注意点もありますが、基本的には誰でも利用できます。
安心して不動産売却を進めるためにも利用してみましょう。