ある程度の年齢になると、だんだんと相続税対策が気がかりになるでしょう。
財産によってさまざまな対策が考えられますが、賃貸用の物件をお持ちでしたら、法人化もおすすめです。
今回は賃貸用不動産の相続を検討している方に向けて、相続税対策のために法人化することについて、ポイントやデメリットをご説明します。
不動産賃貸業を相続税対策のために法人化するときのポイントとは?
相続税とは、亡くなった人の財産を相続するときにかかる税金です。
2015年の法改正で基礎控除額が引き下げられたため、近年課税される人が増えています。
自宅以外に賃貸用の不動産をお持ちの場合は、相続税がかかる可能性が高いと考えられるでしょう。
なるべく課税額を下げるためには、個人の財産を減らす必要があります。
ただし、生前に年間110万円を超える現金や不動産をあげてしまうと、贈与税がかかります。
贈与税は税率が高いので、しっかり理解しておかないと、相続税よりも多額の税金がかかってしまう可能性もあるでしょう。
そこで有効な対策として考えられることが、法人化です。
会社を設立して、賃貸用の不動産をその会社の財産にすると、個人の相続財産を減らすことができて相続税対策につながります。
法人にはいろいろな種類がありますが、おすすめだと言われているのは株式会社です。
発起人が一人でも設立可能で、資本金の制限などもなく、設立するための手続きも比較的簡単にできます。
資本金を1,000万円以上にすると消費税の申告が必要ですから、基本的には1,000万円未満に設定することもポイントです。
不動産賃貸業を相続税対策のために法人化するデメリットとは?
相続税対策として有効な法人化には、デメリットもあります。
まず、会計処理が難しくなること。
個人事業よりも複雑になるため、時間や手間がかかります。
また、いろいろな費用がかかることも覚えておきましょう。
株式会社を設立するためには、30万円ほどかかると言われています。
さらに法人は、たとえ赤字であっても法人住民税の支払いが発生します。
ですから法人化を検討するときは、それらの手間や費用に見合うメリットがあるかどうかを、しっかりと見極めることが大切です。