不動産売買において「停止条件付売買契約」というものがありますが、あまり耳にしたことがない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「停止条件付」の不動産売買契約に注目し、そもそもどういったものなのか、またどんな注意点があるかご説明したいと思います。
不動産取引における停止条件付売買契約とは?
停止条件付売買契約とは、一定の事実や条件の発生または成就によって法的な効力が生じることを特約した契約のことを言います。
条件とされる事実が発生・成就されなかった場合は、契約は無効となります。
停止条件付売買契約が締結される例とは
ではどんな場合に停止条件付売買契約を締結するのでしょうか。
停止条件付売買契約は、住宅資金の融資に関して、不動産購入時に住宅ローンを利用する場合や現在居住している不動産を売却して新しい不動産を購入する場合などに締結されます。
停止条件付売買契約を締結した場合、"住宅ローンの審査を通過しなかった"あるいは"売却予定にしていた不動産が売れなかった"などの一定の条件が発生した際に、買主は契約を解約することが認められています。
通常であれば売買契約を解除した際には一定のペナルティが課せられますが、停止条件付売買契約の場合、契約を解除しても違約金などの発生もないものとなります。
また、「借地権」の売買契約の際にも停止条件付売買契約が締結されます。
借地権の売買では土地の所有者の承諾を得ることが条件とされており、その条件が成就したときに、売買契約も締結日に遡って効力が発生します。
借地権を購入する際に停止条件付売買契約を締結していることで地主の承諾が得られない場合に契約の解除が認められ、万が一のトラブルを避けることもできます。
不動産の停止条件付売買契約の注意点とは?
停止条件付売買契約は、原則として当事者間で自由に取り決めることができます。
しかし注意点として、次のような内容は無効となります。
●不法行為に該当する条件
●社会通念上で不可能な事実を条件とする内容
●条件が成就されたか否かを当事者の意思のみで決定するもの
このような注意点に気を付けて締結する必要があります。
また、停止条件付売買契約と似ている契約に「解除条件付契約」があります。
契約の条件がどちらに該当するのか判断が難しい場合もあるので、媒介業者などの専門家に確認しておく必要があるのも注意点と言えます。