今回は「土地売却を検討しているが、土地全部ではなく一部を売却したい」と考えている方にぜひ知っておいてもらいたい「土地の分筆」について解説します。
土地の分筆とはどういうものなのか、まずはその概要を解説したうえで、手続きの流れについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地の一部を売却したい方におすすめの「分筆」とは?
そもそも分筆とはどんなものかというと、「元々1つだった土地を、登記上複数の土地に分断する」というものです。
分筆によって複数に分断した土地の地番には枝番がつけられ、それぞれ独立した土地として扱われるようになります。
たとえば「1丁目10-10」という地番だった土地を、2つに分筆した場合は「1丁目10-10-1」および「1丁目10-10-2」となります。
ちなみに、この分筆と混同されがちなものとして「土地の分割」が挙げられますが、両者には明確な違いがあります。
分筆と分割との違いは、「分割は机上の土地の線引きをするだけで、登記簿上はひとつの土地のまま」ということです。
分割だと登記簿の内容、つまり所有権も変更がないので、その状態で土地を一部売却するというのは現実的ではなく、登記簿上で完全に別の土地として分断される分筆が推奨されます。
土地の一部売却のために分筆したい場合の手続きの流れ
「土地を一部売却したいので、分筆の手続きをしたい」という人は、以下のような流れになることを理解しておいてください。
1.土地家屋調査士に分筆の相談・依頼をする
2.土地家屋調査士による調査や測量をおこない、現地立ち会いもする
3.土地家屋地往査士が境界確定測量をおこなったうえで分筆案の作成をする
4.隣地所有者立ち会いのもと、境界標の設置をする
5.登記書類の作成・申請をする
土地の分筆に関する最大の注意点は「現実問題として、土地家屋調査士に依頼しなければ話は進まない」ということです。
一般の人がこの手続きをすべておこなう事は難しいので、土地家屋調査士に依頼するようにしましょう。
ちなみに土地家屋調査士探しは「自分で土地家屋調査士会の情報などを見て探す」という手もありますが、基本的には土地売却を依頼する不動産業者にご紹介してもらうほうが、分筆と売却の手続きのどちらも進行できる分、効率が良いのでおすすめです。