今回は戸建ての購入を検討している方への参考情報として「オーバーハングの戸建て」について解説します。
オーバーハングとは何なのか、まずはその概要を解説したうえで、オーバーハングの戸建てにはどんなメリットやデメリットがあるのかについてもお話ししますので、戸建て購入をお考えの方はぜひチェックしてみてください。
オーバーハングの戸建てとはいったいどんなものなのか?
ではまず、オーバーハングの戸建てとはいったいどんなものなのか、その概要を解説しましょう。
オーバーハングとは、「突き出る、張り出す」という意味の言葉で、不動産業界においては「複数階の建物で、下の階よりも上の階の床面積のほうが広くなっている状態」のことを指します。
たとえば2階建てのオーバーハングの戸建ての場合、「1階と比べて2階のどこかが突き出す、せり出すような形状になっている」という特徴があります。
オーバーハングの戸建てにはどんなメリットとデメリットがあるのか?
下の階よりも上の階のほうが広い床面積となるオーバーハングの戸建てには、主に以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
●狭小地でも、上階部分の床面積を広くできる分、家の延べ床面積はそれなりの広さを確保できる
●狭小地にも建てられるからこそ、購入する土地の選択肢が広がる
●1階部分の床面積が狭い分、建築費用で特に費用がかさむ基礎工事部分の費用が安くつく
●1階への強烈な日差しや雨を、2階がある程度さえぎってくれる
●2階の突き出し部分の下は駐車場にも活用しやすい
●デザインが独特で見た目のインパクトがある
デメリット
●建物の形状がいわゆる「頭でっかち」の状態になるため、揺れた時の負荷が大きく、耐震性に不安がある
●1階と2階の床面積が同じ戸建てと比べると角が多く、劣化が早いため将来的なメンテナンスの費用がかさみやすい
●狭小地に建てる場合は特に建ぺい率に注意する必要がある(建ぺい率は広い面積がある階層の床面積で計算される)
●木造だとオーバーハングの突き出しは1.5mまでしかできず、それを超える場合は鉄骨造やRC造などより頑丈な工法が必要となるため、結果的に建築費が高くつくケースも少なくない
●上階の突き出しによって1階の日当たりが悪くなることがあるため、良好な日当たりを求める人には不向き